29日目
29日目は、悲しい気持ちについて。
悲しい時、寂しい時、
胸が締め付けられるという表現があるけど、
それは本当なんだな。
なんだかずっと肩が張って凝っているような。肩がムズムズして、大きな音で音楽(それも、パンクロックみたいなやつ。)を聴きたくなって、ずっと下を見て歩いて、そのままアスファルトに頭から呑まれてしまいたくなる。ぬっと、アスファルトがまだ固まる前に逆戻りして、どろりと頭から沈んで行きたい、アスファルトに連れていかれたい。悲しい理由、寂しい理由は、誰かと共有したらパンケーキの上のバターみたいに溶けてゆくかなと思っていたけど、そんなことはしないし、出来なかった。金曜日の夜だったんだから。明日は土曜日だから。TOKYO FRIDAY NIGHTに入り込む隙間なんてなかったんだ。想像だけがどんどん現実味を帯びていって、現実で分かる限りのことなんかよりも酷くどんよりした気持ちにさせる。馬鹿だ、馬鹿なのだ。だって、想像なんて自分で勝手にしているだけで、自分を悲しく、寂しい気持ちにさせているのは自分なのだから。
やっと家に着いたらまだ21時で、お風呂に入ってぼんやりと汗を流した後、サバの味噌煮をゆっくりゆっくり食べた。その後に、コードブルーの最新話を観た。いつも通りだ。いつも通り、何も変わらない現実がある。それはそれで大好きな現実がある。安心する。果実シロップのソーダ割りを飲んで、ベッドに寝転がっている。
今度は、肩が固まるような悲しさではない。
身体が悲しさで緩んでいく。
悲しい気持ちにも、いくつか種類があるみたい。
最近では1番心を開いて、なんでも話していた人が、もういつもの場所にはいない。
1週間のうちの5日間ずっと話してた人が、いつもどこか別の空間にいる。
最近は少し慣れて、今日はお昼何食べてるのかななんてことも思わなくなってきている。
悲しいよ。
でも、悲しいのは悪いことではない。
また明日も、悲しさを引きずって日本海側に向かうのよ。
おやすみ。